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地湧社の本にはこれまで数えきれないほどお世話になった。

生きる意味を問い直し、日常という奇跡に気づかされる。そんな珠玉の作品ばかりだ。

中でも、本の持つ力に気づかされた本が「たったひとつの命だから」シリーズだ。

難病と闘った女の子が大手術をした後に年賀状に綴った「たったひとつの命だから」
という言葉の後にあなただったらどんなメッセージを続けるだろう?

福岡県筑後市の市民が始めたメッセージを集める活動がコミュニティのラジオ番組にとりあげられて広がり始め、その反響が地湧社のアンテナにひっかかったのだ。

生きたくても生きられなかった子どもたちの家族。家族や親友を自殺で失った人。病気と闘っている人。亡くなった家族や友人に想いを伝えられなかった人。後悔や自責の念に苛まれながら生きている人。

時間という魔法が心の傷を癒し、ようやく綴られたメッセージの数々。

私はこの本が出版された2007年当時、不治の病と闘う母に読んでもらおうと、いつものようにテーブルの上にさりげなく置いて実家を後にした。母は普段は新聞は読んでも読書は苦手なタイプ。色々な本を薦めてきたけれどもなかなか手にとってはくれなかった。

ところが、再び実家に行くと「素晴らしい本をありがとう」とにっこり笑って感想を話してくれた。2009年の夏に天国に召される瞬間まで、運命を受け入れ、生きる力をふりしぼってくれた母にこの本は大きな力を与えてくれたのだと思う。

母は病気のことを周囲に話さなかったが、ある日、母を頼って実家に相談にきた悩み多き親戚にこの本を取り出して「元気がでるから読んでみて!」と、手渡したことがあった。

それは母の容態が急変して亡くなる直前のことだったと思う。辛くて苦しい立場にいるからこそ、他人の痛みや哀しみが理解できると言うが、それでも話を聴いてあげることくらいしかできないものだ。

そんな場面にでくわしたとき、皆さんにも是非この本を活用してほしい。

マザコンだった私は最愛の母の死をなかなか乗り越えられずにいたが、久しぶりに読み直して改めて生かされていることを実感した。

「たった一つの命だから」--- Seize the Day!!(今を楽しく生きよう!)

文:Eri Sato

Eri Satoさんが参加しているBlog : The Project 準備室

事務局注) トップの写真はEriさんのお父様が、お母様の思い出にと作った「わすれな草」のステンドグラス。

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